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マルセル・ベアリュ 中間無人境の夢想者 [(本)Livre]

相変わらず本は読んでいます。
でもなぜか日記にしようと思うと再読した本を取り上げるワタシ;
なぜなんだろ〜。って再読ばっかりしてるからか;;;とほほ。

↓イメージ的にただ載せたかったステキな木製人形(1800年代)
doll.JPG

今回再読したのはあまり知られていない仏作家のMarcel Béalu”
=”マルセル・ベアリュ”の短編集「水蜘蛛」。
白水社のUブックス、”小説のシュルレアリスムシリーズ”で刊行されていた。
今はもう絶版かしら?中古で出回っている様子だ。
パロル舎から「夜の体験」と「奇想遍歴」という長編も2冊出ている。
「奇想遍歴」は装丁画が気に入らなくて手にしていない;内容は面白そう。
「夜の体験」は短編ほどの魅力は感じなかったけどスキな作品だ。

marucel.JPG

「水蜘蛛」
クモ嫌いな方にはきついかなぁ〜。
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主人公の男性がある日水辺で見つけたのは金属的な歌声を持つ雌の水蜘蛛。
水蜘蛛はぼんやりとした輪郭の顔立ちで「水辺から抜け出したい」と彼に伝える。
淡い恋心にも似た感情を彼は水蜘蛛に抱き、そっと自宅の屋根裏部屋に連れ帰る。
彼は水蜘蛛に”ナディ”と名付けた。軽い身体で甘えてくるナディ。
無邪気なエロシティスム。
彼には愛する妻がいたがナディと秘密の甘い時間を過ごす。
ナディは人間の少女に近い姿に日々変化して行く…。

彼には愛おしく可愛いナディ。
しかし目撃した村人にはおぞましいせむし人間、出来損ないの化け物。
この目撃談が噂になり化け物との秘密に気づいた妻は錯乱状態で家を出る。
彼は妻の事を愛していたがナディを手放せなかった。

時が経ちナディは内面的にも更に人間に近づいて行く…。
彼の感情も時と共に変化しナディに対し愛情と共に憎悪を抱き始める。
そればかりか出て行った妻を求める感情も強くなり…
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美しくも残酷でちょっと背中がぞくぞくするお話。
拙い文章で内容をほぼ書いてしまっている;;;†お許しを†
”向かいの家”や”三人の配達夫”も素晴しいし、他収録作品も
かなりワタシが好きな世界。

マルセル・ベアリュ。
表現力や文才とかそういったこととは別次元に彼の世界は存在する。
この作家は無人境の住人なのだ。
シュルレアリストが憧れた世界を彼は自然に創り出す。

白水社Uブックス「水蜘蛛」の序文はマンディアルグ。
コクトーやアルトー、ノディエ、バシュラールからも絶賛された。
しかし一般の読者にはほとんど支持されなかったらしい。

日本で出版され彼の著作に触れられて良かった;

ちなみにマルセルは執筆だけでは食っていけないから帽子屋を開き
その後、古書店を経営していたそうだ。1993年に逝去。



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